言葉 |
意味 |
斎主 |
神をまつる人。神事をつかさどる人。神主。 |
斎場 |
祭祀(さいし)を行う清浄な場所。祭場。葬式を行う場所。 |
祭壇 |
宗教的儀式を行うときに、神霊をまつったり、供物を捧げたりするためにつくった壇。祭事を行う壇。 |
賽の河原 |
冥土に至る途中にあると信じられている河原。親に先立って死んだ小児がこの河原で父母供養のために小石を積んで塔を作ろうとするが、石を積むとすぐに鬼がきてこわしてしまう、そこへ地蔵菩薩が現れて小児を救うという仏教説話がある。 |
榊 |
神域に植える常緑樹の総称。また、神事に用いる木。 |
逆さごと |
葬儀は非日常時にいとまなれる行事なので、普段とは前後、天地など逆なことを行い、日常と区別するもの。さかさまにする風習は一つには魔除けのため、一つには死後の世界が生の世界の裏返しになっているという配慮からといわれています。 |
逆さ着物 |
経帷子や浴衣などを遺体に着せ、その上に故人の生前好んでいた衣服を、遺体に被せたり、棺に被せるさい、逆さまにする慣わしを言います。 |
三途の川 |
〔中国で作られた十王経による〕冥土への途中にあり、死んで七日目に極善・極悪でない人が渡るという川。流れの速さの違う三つの瀬があり、生前の業(ごう)によって渡る場所が異なる。川のほとりには姥(うば)と翁の鬼がいて、亡者の衣を奪うという。三瀬川(みつせがわ)。三途川。 |
参拝 |
神社に行って拝むこと。寺にもいう。 |
三方 |
角形の折敷(おしき)に、前と左右の三方に穴の空いた台。ひのきの白木で作られ、儀式のとき神饌をのせるのに用います。 |
四華花 |
葬具の一つ。白紙を竹串に巻きつけ、横に細かくハサミを入れたもの。かつてはこれを四本、木の台や大根の輪切りに突き立て近親者が持って葬列に加わりました。四華の由来は、釈尊が、涅槃に入られるとき、死を痛み悲しんで四本の沙羅双樹の花が白く変化したことから、それになぞらえ、死者が涅槃に入ったことを象徴しています。 |
樒 |
仏前に捧げられるもくれん科の常緑樹。しきびとも言われます。仏事ではこの樒をハナと称し、墓や位牌の前に水と一緒に供えます。特に埋葬や納骨のときには一本花といって一本の樒を供える風習があります。 |
四十九日 |
人の死後四九日目の日。中陰の終わる日。僧を招き法事を行う。なななぬか。七七(しちしち)日。人の死後四九日の期間。この間、死者はこの世と来世との中間をさまようという。中陰。 |
自然死 |
外傷や病気などによらず、生活機能の自然衰退によって死ぬこと。老衰死。 |
紙垂 |
しめ縄、または玉串などにつけてたらす紙。古くは木綿を用いました。 |
死化粧 |
遺体の顔や髪を、見苦しくなく整え、化粧をすること。薄化粧。湯かんの後、病死でほほがそげていれば、脱脂綿を含ませたり、女性では薄く化粧をほどこしたり、男性の場合ではひげを剃ったりします。 |
死装束 |
死者に着せる白い衣裳。僧の姿になぞらえて、白木綿に経文を記した着物で、強化旅らとも、仏衣とも言います。まず経帷子を着せ、六文銭の入った、頭陀袋を首にかけ、合掌した両手に数珠を持たせます。そして足袋、わらじ、すげ笠、杖のいでたちをします。 |
死に水 |
臨終の人の口をうるおす水。末期(まつご)の水。 |
しのび手 |
神道で用いる、音を立てないように合わす拍手。神式葬儀に行います。玉串奉奠の後、遺影を正視し、冥福を祈って二礼・二拍手・一礼するが、このときにしのび手にします。また故人の一年祭までしのび手にします。 |
死亡診断書 |
患者の死亡を証明する医師の診断書。死亡証書。 |
死亡届 |
人の死亡を通知する戸籍上の手続き。通常、医師の作成した死亡診断書を添えてその事実を知ってから七日以内に市区町村役場へ届け出る。 |
標縄・注連縄・七五三縄 |
神前や神事の場にめぐらして、神聖な場と不浄な外界とを区別するもの。新しい藁で左ないにして作り、これに紙垂をはさんで垂らします。神葬では忌竹といって、葉つきの青竹を四方に立て、それに注連縄をつけて斎場の結界に用いたり、棺に注連縄をめぐらしたりします。 |
釈迦 |
紀元前七〜六世紀頃、ヒマラヤ山麓ネパールに居住していた部族。釈迦(2)も釈迦族の出身。仏教の開祖。世界四聖の一人。姓はゴータマ、名はシッタルタ。中部ネパールの釈迦族の中心地迦毘羅(かびら)城に浄飯王(じようぼんのう)の子として生まれる。母は摩耶夫人(まやぶにん)。二九歳で出家、三五歳で悟りを得た。のち鹿野園(ろくやおん)で五人の修行者を教化し(仏教教団の成立)、以後八〇歳で入滅(にゆうめつ)するまで教化の旅を続けた。教説は四諦(したい)・八正道(はつしようどう)・十二縁起などでまとめられる。生没年は紀元前463〜383年、同560〜480年など諸説ある。 |
釈号 |
浄土真宗で、死者の法名の上につける語。男性は釈○○、女性は釈尼○○といい、居士や大姉などの位階を表わす称号は用いません。 |
社葬 |
会社が施主となって行う葬儀。 |
舎利 |
遺骨。特に仏や聖人の遺骨をいう。 |
十三仏 |
初七日から三十三回忌までの一三回の追善供養仏事に配当した仏・菩薩の総称。室町時代に成立した信仰。 |
数珠・珠数 |
数多くの玉を糸で貫いて輪形にした仏具。仏事・法要の際、手や首にかけて、あるいは、もみ、また念仏の回数を数えるのに玉をつまぐって用いる。称名念仏の流行につれて普及。玉の数は煩悩の数によるとされる一〇八個を基本とするが、五四・二七・三六・一八など宗派により数・形式ともに一定しない。 |
出棺 |
葬式のとき、死者の棺を家から送り出すこと。 |
須弥壇 |
仏堂内で、仏像を安置する台。須弥山をかたどったものといわれ、四角・八角・円形などの形のものがある。 |
焼香 |
仏事の際に、仏の功徳をたたえたり、死者をとむらうために香を焚くこと。 |
焼香順序 |
焼香順序は血縁の濃い順に行うといわれています。例えば一家の主がなくなった場合には、@喪主(未亡人または長男)A姓の同じ子供B姓の替わった子供C故人の父母D故人の配偶者の父母E故人の孫F故人の兄弟姉妹G故人の配偶者の兄弟姉妹H故人のおじおばI故人の配偶者のおじおばJ故人の甥姪の順になります。なお夫婦は同時に行いますが、喪主が長男の場合、@長男A未亡人B長男の妻…と続きます。また一緒に住んでいた孫は、故人の子供と同時に焼香するのが普通です。 |
荘厳 |
浄土などの仏国土、仏・菩薩などの徳を示す美しい姿や飾り。また、仏堂・仏像などを美しく飾ること。また、その飾り。 |
精進落し |
精進明けに、普段の生活に戻る際に肉食・飲酒などをすること。 |
精進料理 |
肉・魚などを用いず、野菜・豆腐など植物性の材料で作る料理。 |
祥月命日 |
人の死後一周忌以降の、故人の死んだ月日と同じ月日。 |
浄土 |
仏が住む欲望や苦しみのない世界。釈迦の西方無勝世界、弥勒仏(みろくぶつ)の兜率天(とそつてん)などがあるが、平安後期以降、浄土教が広まるにつれて主として阿弥陀の西方極楽浄土をさすようになった。 |
浄土宗 |
平安末期、法然が浄土三部教や浄土論に基づいて創始した浄土教の一派。阿弥陀仏の本願に頼り、もっぱら念仏を唱えて極楽に往生することを教義とする。浄土専念宗。 |
浄土真宗 |
鎌倉初期、法然の弟子の親鸞が創始した浄土教の一派。阿弥陀仏の力で救われる絶対他力を主張し、信心だけで往生できるとする。本願寺派・大谷派・高田派・仏光寺派・木辺派・興正派・出雲路派・山元派・誠照寺派・三門徒派の一〇派に分かれる。 |
成仏 |
死んで、この世に執着を残さず仏となること。 |
精霊棚 |
精霊を迎えるために、盂蘭盆(うらぼん)の間、臨時に設ける祭棚。位牌(いはい)や仏具を並べ供え物をする。 |
初七日 |
死者が亡くなった日から数えて七日目。またはその日の供養。最近では告別式の当日に初七日の法要をすませてしまうことが多くなっています。 |
白木の位牌 |
葬儀のさいに用いる木地のままの位牌。戒名(法名)、俗名、没年月日などを記入して、遺影とともに祭壇に安置します。葬列には、喪主が胸元に揚げて持参します。葬儀のあとは忌明けまで、中陰壇におまつりし、忌明け後はお寺などに納め、代わりに黒塗りの位牌を仏壇の中に安置します。 |
白張り提灯 |
油をひいてない白紙で張った、提灯。葬式に用いる。 |
真言宗 |
仏教の一宗派。平安初期入唐した空海が恵果から密教を受けて帰国、開宗した。金剛峰寺・東寺を根本道場とし、修法と門弟の教育などを行なった。主に大日経・金剛頂経に基づき大日如来の悟りの世界を直接明らかにしようとするもので、即身成仏を説く。加持祈祷(きとう)を行なって平安時代の貴族の間に浸透。一三世紀末に古義と新義に分裂した。真言陀羅尼宗。 |
信士 |
信仰の厚い人。 |
信女 |
在俗の女性仏教徒。 |
親族 |
親子関係による血族関係と、婚姻関係による婚族の総称。民法では六親等内の血族、三親等以内の婚族、および配偶者を一括して親族といいます。 |
厨子 |
仏像・舎利・経巻などを安置する戸棚形の仏具。扉が両開きで、漆や箔(はく)を施したものが多い。 |
頭陀袋 |
頭陀行を行う僧が、僧具・経巻・お布施などを入れて首にかける袋。頭陀。死人を葬るとき、その首にかける袋。 |
頭北面西 |
頭を北に、顔を西に向け、右わきを下にし、横になった姿勢。釈迦の入滅のときの姿。 |
聖餐式 |
洗礼式とともに、教会で最も重視されている典礼。神の創造とキリストの恩寵に対する「感謝の礼拝」という意味。カトリックの葬儀には「言葉の典礼」とあと「感謝の典礼」が行われ、パンとブドウ酒の奉納のあと、聖体を参列者に授けます。プロテスタントでは「聖餐式」とは、牧師が病人にパンとブドウ酒を与え、天国に召されるように祈るものです。 |
聖水 |
ローマ-カトリック教会および正教会などで、洗礼・祝福・ミサなどに用いる聖別した水。 |
聖体拝受 |
キリストの血と肉を象徴するといわれる、ブドウ酒とパンを、信者会衆に分かつ儀式。ミサ聖祭のさい、聖体拝受の祈りと言葉を唱え、死者の冥福を祈るうちに儀式が進められます。 |
施餓鬼会 |
清浄な地や水に食べ物を投げ、悪道に落ちて飢餓えに苦しんでいる衆生や餓鬼に施す法会。真言宗、浄土宗、曹洞宗などでは八月の盂蘭盆に精霊供養として行っています。 |
席次 |
会合などでの座席に並ぶ順序。席順。 |
施主 |
葬式、または法事などの供養をする主人役の人。 |
殺生 |
殺虫剤・除草剤・殺菌剤などの総称。目的とする病害虫や雑草だけでなく、広範な動植物に影響を与えることに着目していう。 |
世話役 |
葬儀にかかわる問題を処理していく人で、喪主や遺族の人以外の人を指します。世話役は葬儀が地域を中心とするか、職場を中心とするかによって異なっており、町内会や職場の親しい人のなかから協力者を依頼します。世話役代表は、喪家の事情に詳しい人が適当で、受付、接待、会計係などを統括します。 |
遷化 |
教化の場所を他の国土に移す意。高僧が死ぬこと。 |
線香 |
子(ちようじ)や白檀などの香料の粉を線状に練り固めたもの。火をつけて仏前に供える。 |
禅宗 |
大乗仏教の宗派の一。日本では臨済宗・曹洞宗・黄檗宗の総称。その先行形態はインドに見られたが、六世紀前半達磨(だるま)が中国へ伝えてから発達した。七世紀には六祖慧能の南宗と神秀の北宗とに分かれ、主流となった前者から曹洞宗と臨済宗が派生した。日本へは鎌倉時代の初めに栄西が臨済宗を、道元が曹洞宗をそれぞれ伝え、江戸時代には隠元が黄檗宗を伝えた。座禅を中心においた修行によって心の本性が明らかにされ悟りが得られるとし、不立文字(ふりゆうもんじ)・教外別伝(きようげべつでん)・直指人心(じきしにんしん)・見性成仏(けんしようじようぶつ)を唱える。ただし、道元に始まる日本の曹洞宗は只管打坐(しかんたざ)を説く。 |
葬儀委員長 |
葬儀の進行の手配、指示を中心となって行う人。個人葬では、町内会長、団地の自治会長などがなるのが通例です。社葬では、社長や個人の友人で肩書きのある人が委員長になります。葬儀予算を、喪主や遺族と相談し、実務を執行するさいに、いろいろな係を決め、そのまとめ役をします。 |
曹洞宗 |
禅宗の一派。九世紀頃の唐の洞山良价(とうざんりようかい)とその弟子曹山本寂の門流をいう。1227年道元によって日本にもたらされ、永平寺四世の瑩山紹瑾(けいざんじようきん)のときに地方の武士・農民に教勢を伸ばした。臨済と並ぶ禅宗の二大宗派。福井県の永平寺と横浜市鶴見区の総持寺が本山。只管打坐(しかんたざ)をもっぱら重視。〔「曹洞」の名は洞山と曹山によるとする説と禅宗六祖曹渓慧能と洞山によるとする説がある〕 |
粗供養品 |
葬儀のさい遺族側が、会葬者の焼香のあと、謝意をあらわすために渡す品のこと。通常ハンカチ、タオル、石鹸など、会葬礼状に添えてお渡しします。 |
卒塔婆 |
死者の供養塔や墓標として伝えられ、頭部に五輪形を刻み、梵字などを記した板木。釈尊の遺骨を納めた仏塔である「ストゥーパ」が音訳されたもの。卒塔婆には経文や戒名、施主の名を書き、年回供養やお彼岸、お盆などに板塔婆を立て、墓前で読経してもらいます。 |
祖霊 |
先祖の霊。日本では、33年忌ないしは50年忌の弔(とむら)い上げのすんだ死者の霊は、個性を失って祖霊一般の仲間入りをすると考えられている。 |